2007.11.10
【京都府】
岩倉 実相院(Map)
お寺にしては珍しく、存在感のある斜めの梁(はり)が何本も目に付きます。
昔の張芸謀(チャン・イーモウ:中国人の映画監督)の映画セットのような力強さがあって気に入っています。
イエイエ、これ実は傾いた建物を支えているんです。
写真はありませんが、客人を迎える表玄関に大木が斜めに立てかけられ、入る者の行く手を阻んでいます。それが片側に1本だけで、バッテンになっていた形跡はないので「これは何か魔除けの一種か?」と、まじまじ観察していました。
建物に入って納得したのですが、景観を損なわない場所ではモロに鉄製の柱で支えていたりと、かなりガタがきている建物のようです。
檀家を持たない門跡寺院(皇族、貴族の管理下の寺院)で、文化財の指定も受けてないので財源のより所が無く、自前でお金をかき集めねばならないそうです。みな様方にも、是非とも足を運んでいただきたいとお願いいたします。
客待ちのタクシーがいるくらいだから人は途切れないと思うのですが、お寺の修復ってべらぼうなお金掛かると思われるので。
──お寺の修復って、お金だけでできるもんじゃないとは思うのですが……
ここには「床もみじ」(春は「床緑」)を楽しめる部屋があります。板張りの床がつるっつるで継ぎ目も目立たないので、庭の紅葉を映した床のもみじも楽しめるという趣向で、紅葉には早かったのですがなるほど趣のある眺めでした。
しかーし! その部屋も含め室内は撮影禁止なんです。部屋の床を楽しむのは廊下から眺めるわけで、ゆっくり見られる訳もないわけですから、何だかなぁという感じです。
岩倉具視幽棲旧宅
実相院のごく近くにあります。昔の500円札の人です。
ここ岩倉という地に岩倉具視幽棲(ゆうせい:ひっそりと暮らすこと)旧宅があるということで、どちらが先なのか関心があったのですが、どうも別々の出自を持っているようです(なんだぁー)。
この地で、大久保利通、中岡慎太郎、坂本龍馬らとの密議が行われたそうです。
幕末・明治維新で公家側からの成功者、程度の知識しかありませんが、岩倉使節団(木戸孝允、山口尚芳、伊藤博文、大久保利通)として欧米に赴いた際のちょんまげ姿の写真がとても印象に残っています。
他の面々は横分け頭でさっぱりとしているのに、あの堂々としたちょんまげ・着物姿には、心意気を感じないではありませんが、歌舞伎者(風変わり者)の性格の方が強かったのでは、と思えてなりません。
今週のトリビア「加山雄三は岩倉具視の血筋を受け継いだ子孫である」。ヘェー!
岩倉という地は、他を回るルートから少しだけ奥まったところにあるのでどうも機会が作れずにいたのですが、今回行ってみて静かな住宅街(農地はないが家並みは残されている)という印象があり、便利ではないかも知れませんが、暮らしやすいのではないかと思われました。
──便利さってどうも東京の尺度で考えてしまいがちですが、東京以外の都市には違った尺度があります(お分かりだろうか?)。
中心地から15分も電車に揺られれば、もう郊外のゆったりとした時間が流れる風景が迎えてくれます。
都市の大きさって、それくらいが「暮らしやすいサイズ」なのではないかと思うようになってきたのですが、いかがでしょうか?
そんな場所では車が必需品ですから、店の前で渋滞するのは困りもんなんですがね。
でも、東京だけですよ電車で事足りる町なんて……
国際会館(Map)
昨年来たとき「地球防衛軍本部」のようだ、と思ったものですが、その印象は1年たっても変わらないですね。
左は何とも「マジンガーZ」の頭部のようだし(合掌造りをイメージしたそうです)、右は「ウルトラマンシリーズ」の基地のようで、「ビートル」や「ウルトラホーク」などの戦闘機が飛んできたら絵になると思いませんか?
この会議場は1966年の開館だそうですから、ウルトラマンと同時期になります。そんな時代に共通した「未来観」の表現なのかも知れませんし、地球を守って欲しいとの希求も共通していたのかも知れません。
ここは「地球温暖化防止京都会議」(京都会議)が開かれ京都議定書が採択されたところなので、広義の意味ではやはり「地球防衛本部」であるわけですから、これからも地球を守ってもらいたいと願っております。
──話しは変な方向へ展開します。
「現代のウルトラマンとは?」と考えたとき、コマーシャル(シャンプーだったか?)で、汗だくでヒーローを気取った子どもに父親が「お前なら地球を救える」という絵を想起しました。そう「夢見る子どもがウルトラマン」なのではないかと……
初代のウルトラマン(父の世代)は弱かったから、倒せない怪獣が世の中にはまだまだたくさんいるけれど、ウルトラマンタロウ(太郎=子の世代)等の若い世代がきっと退治してくれる、なんて願ったりできると弱かったウルトラマンも救われたりするかも? と思ったりします……
──どうも話しが逸脱しました。
「ノスタルジックな未来観」とでも言うのでしょうか、子どもの頃に心躍らせた「夢」を振り返ることができた場所として、記憶に残っていくのではないかと思います。
宝ヶ池(Map)
江戸時代に農業用のため池として造営されたそうで、当時とすれば「宝」の源であったわけです。
前回は、どう見ても健全とは思えないなカップルからシャッターを頼まれたりして(会議場、プリンスホテル、宝ヶ池は隣接しています)、人目をはばかるカップルのたまり場かい? という印象が強かったこと思い出されます。
今回は、(健全そうな?)カップルを多く見かけたり、中学生たちがマラソンのタイムトライアルをしていたり、観光の若い娘たちがレンタサイクルで「ウォー、あったー!」とゼイゼイしていたりする姿を目に出来たので、ここの印象も大分改善されてきました(どんなとこだと思ってたんじゃい?)。
いえいえ、プラーっと散歩するにはいいところだと気に入っていたので、親近感が欲しいと思っていただけです。
この絵はちょっと無理矢理の構図だったかと反省したのですが、それは工夫が足りないだけかもと、次回の作戦を考えます……
2 件のコメント:
ここは実際ウルトラセブンで登場してます。
「ウルトラ警備隊西へ」のエピソードで地球防衛軍の防衛センター(研究所も併設されている重要拠点)という設定で。(但し話の中では京都ではなく六甲山にあるという設定ですが)
コメントありがとうございます。
「ウルトラ警備隊西へ」のタイトルは記憶にありましたが、キングジョーが登場したことは、調べるまで忘れていました。
何とも懐かしい話題で、再見したくなりました……
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