2007/02/18

古い映画館もまだ現役──西陣(千本通周辺)

2007.02.18
 西陣─千本通周辺(Map)—京都府


 京都に通い始めの頃、高雄行きバスの車窓から「二条を過ぎた辺りから建物が低くなった」との印象を受け、それが西陣あたりであると知り「やっぱり違うぞ!」と、期待を高めておりました。
 西陣という響きには「織物」「町家の工場」という印象があり(70年代の映画『西陣心中』の印象も強いが、その影響は字面かも)、わたしの中では強く引かれる場所でありました。
 ひもといてしまうと、応仁の乱で西軍の陣地だったことが由来だそうです。(何とロマンのないことか……)
 本日は特に目的地を持たず、「西陣」と言われるあたりの西側を入門編としてブラブラしておりました。
 小さなお寺が軒を連ねる界隈、お日がらなのかお坊さんとよくすれ違いました。地域に密着した存在なのでしょう。そんな路地には、小さなほこらに奉られたお地蔵さんがそこかしこに。いわれは不明ですが、みんな綺麗な化粧を施されており、人々に大切にされていることがうかがえます。
 平安時代の内裏があった場所だそうですが、長屋的な古い建物も多く、政治の中枢機関が去った後には廃れた時期があったのかも知れません。「百鬼夜行」(妖怪や魑魅魍魎が、深夜に一条通を行進したとのこと)をモチーフにした「妖怪ストリート」なる通りもありました。だから人々は、土地の霊(不幸)に大切に接するのかも知れません。
 後で知りましたが、ひとブロック東に「(安倍)晴明神社」があるそうです。そんな関連があった土地なのかも知れません。そんな話題については、訪問予定の次回ということに……

 上は普通の民家と思われる家の写真ですが、中央右寄りに折りたたんだ「ちゃぶ台の足」のようなものが見えると思いますが、あれを開くときっと縁側になるのだと思います。狭い軒先でも、夏にはそこで夕涼みしながらご近所と談笑するのでしょう。粋だよねぇ。


 さすが京都には古いものが残されている(と言うか、生き残っている)と関心させられます。
 古い映画館というものは、人々の「垢(あか)」と言うのか、思いが染みこんでいるような印象があって、どの街に残された映画館でもそれぞれのいい雰囲気があると思います。
 ここもまだ立派な現役です。さっき、おじさんが入っていきました。

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