2007/09/17

天に昇る龍?──丹後半島(天橋立、伊根)

2007.09.15
【京都府】

 天橋立(Map)


 日本海に突き出した丹後半島の付け根にある、日本三景のひとつと称される天橋立です。ここも京都府になります。
 ここの展望台には「股のぞき台」なるものが設置されています。
 海を背にして台に立ち、前かがみで広げた股の間から景色を眺めると、天に昇る龍のように見えることから「飛龍観」と呼ばれ人気のスポットで、若い娘さんも股のぞきしながらカメラを構えておりました。
 佐賀県の「虹ノ松原」から受けた迫力や、淡路島の「慶野松原」の身近さとは違い、造形に込められたとも思える意図を感じさせる品の良さには、やはり別格という印象を受けました。
 多くの人に愛されるだけの理由があること、実感できました。
 以前訪れたことがあるので、駐車場も満杯だし止めようかと思ったのですが、やはり現在の視線で見ておいて良かったと思います。


 背の高い船が通過するときには、この廻旋橋が回転し航路を確保してあげます。帰り道にちょうど廻旋橋が回ったのですが、航路が橋の反対側にあたるのでいい絵が撮れませんでした。この時ばかりは、橋外されちゃってますからカメラポジションの選択肢がないんです。
 砂浜が結構白かったのが印象的でした。



 伊根の舟屋(Map)


 今回は兵庫県の但馬(たじま)方面がメインなので、るるぶ兵庫(最近はるるぶを買ってます)を持って行ったのですが、丹後半島は京都府なもので掲載されてないんです。
 観光ガイドにしては随分律儀に編集されてるもんだと、現地調達したのですが「城崎・天橋立」というのがあるんですね。
 確かに、こっちの方が売れ筋でしょうから分冊する理由は理解できました。
 何とかなるだろうなんて思っていたら、そんな情報不足のおかげでここを見逃すところでした。


 丹後半島の東側にある漁村で、海沿いに建てられた家の海側が自家用船のガレージのようになっている「舟屋」が残る集落です(是非訪れたい場所でした)。
 外海の日本海からは岬で隔てられた湾奧にあるので、冬で海が荒れてもも大丈夫なのでしょうが、この舟屋は海の上に家を建てていると言った方が正しいようで、結構無謀な作り方と言えると思います。
 平坦な土地がほとんど無い場所なので目は海へ向かうのでしょうが、大きな港も作れずに船置き場と共同の家を建てたのではないでしょうか。
 埋め立てといった大事業ができない小さな漁村の知恵、とも言うべき文化です。
 階下から聞こえる波音がいい子守唄になるのではないかと思われますが、風の強い日などはうるさいかも知れません。
 でも、それもいい絵に(ドラマ的には)なるのではないか、と思ったりもします。


 自治体が営業している道の駅があるのですが(不便な場所なのにまま人が出ているのに驚かされます)、そこにNHK連続テレビ小説「ええにょぼ」(こちらの方言で「美人」の意味だそうです)撮影地の看板が……
 前回岡山の「あぐり」に続き「さすがNHK、いい所見つけるなぁ」と脱帽です。いや、それが使命だと言えばその通りなのですが、近ごろは民放でも田舎をクローズアップしていて、町おこしの効果が結構あるようなのでいいことだと思われます。
 瀬戸内の島でも「今日は何の撮影だい?」なんて日常の事のように話しているのを耳にしましたし……


 夏場の大雨の影響による土砂崩で半島の先端付近で通行止めがあり、丹後半島の海岸線を東から西へ通り抜けること出来ませんでした。
 通ることが出来た東海岸沿いの道も、道幅分だけ海を埋め立ててようやく通した道路のようですから、結構通行止めなどがありそうな険しいところではあります。

 半島先端の経ヶ岬、NHK大阪で制作された地方ドラマの舞台で棚田の風景などが印象に残っている袖志、琴引浜(鳴き砂)など、行きにくい場所が残ってしまいました。機会があれば再チャレンジします。