2007/10/20

都の外にまた都
 ──竹の径、長岡京跡、長岡天満宮

2007.10.20
【京都府】

 竹の径(Map)

 お米の美味しい季節になってきました。松屋で牛丼食べても「あぁ、このお米プリプリしておいしい!」と顔がほころんでしまいます。
 いまどきの日本の農家は、どこでも美味しいお米を作っていると思うんです(でないと売れませんから)。それでも輸入米の味の向上と価格の安さに叩かれてしまうのでしょうか、農家からはかつての「明るい農村」(NHKの番組)の雰囲気は失われてしまっているように思えます。今宵NHKでは「どうする?私たちの主食」(日本人なら米を食え?)という番組をやっています(未見)。
 どうしたものかと考えたとき「消費者が輸入米を食べなければいいんだ」などと思いました。輸入米は安いし確かに味も良くなっている、でもわたしは少々高くとも「日本米の方が好きだ」という行動をみんなが起こせれば、それは消費者の勝手な「嗜好」(国粋主義?)ですから、外国から文句言われる筋合いはないと思うのですが……
 わたしは、牛丼500円までだったら参加します! でもきっと、関西では無理だと思われるので、東京の方から波を立ててもらえないかと思うのですが、いかがでしょうか?

 上写真は亀甲竹(きっこうちく)。竹の資料館にて。



 本日のスタートは、阪急京都線(久しぶり!)洛西口駅(桂のひとつ手前)からになります。そんな駅名からも都の西のはずれという雰囲気が伝わると思いますが、まだ開発の触手が伸びていないと言うか、ギリギリかなぁ? 背後の山側には大きなニュータウンが造成されています。その狭間の丘陵地帯に残されている竹林(最近知りました)を歩きました。
 この一帯の竹林は農家が経営している竹の子畑(?)でキッチリと手入れされ、こちらで言うと「北山杉」の山林のように間伐され木の間隔がきちんと整えられ、上の写真のようにわらを敷いて肥料(保温のため?)にしています。
 竹の子の生産地を見たのは初めてなので、どこもそうなのかも知れませんし、ここはきっとブランドモノ的な評価を得ているからかも知れませんが、少なくともこの付近では意欲を持って竹の子を育てている、との印象を受けました。
 大量生産して売りさばくというような農業ではなく(それで成り立つところはいいが)、量や品目を限定してでもペイできて生活可能な生産活動にシフトしてもいいのではないか?(確かにリスクはあると思う)と思ったりするのは、素人考えなのだろうか。
 味はそこそこで値段が安いモノには多くの人が飛びつくが、手間暇掛けて少々高くともそこでしか作れないモノであれば、食っていけるくらいの売り上げにはなると思うのですが……
 それじゃダメなんだよ! の声も聞こえそうですし、わたしも素人なのでこの辺にしておきます。


 鳥かごの中でエサをねだっているヒナの口ようでこの写真好きなのですが、この竹は「竹の径・かぐやの夕べ」という夜間のライトアップ(竹の中に水を張り、球形のロウソクを浮かべて火を灯す)イベントの準備で配されたものです。──ニュース写真を見たら、かぐや姫が降臨したそうな。
 ちょうど今晩開催ということで、普段は閑散としているだろう竹の径も準備の人たちでワサワサしていました。
 でも、普段は静かで(静かすぎるかも知れない)観光地の嵯峨野の竹林よりも落ち着けるような気がして、好印象を受けました。
 嵯峨野では、竹の子よりも工芸用としての需要が高かったのではないか、と思われます。あそこなら、作れば売れそうですしね。
 朝からいい天気だったのに、この時だけ大きな雲に日差しを遮られてしまいました。林の中を撮るには晴れていてもらわないと……
 また来なきゃ!



 長岡京跡(Map)

 こちらに来て最初にJRの長岡京駅を通過した時「そうだ、平安京の前に長岡京ってのがあったんだよな」と、遠い記憶がよみがえったことを今でも思い出します。行かなきゃと思っていたのですが、近い事もあって後回しになていました。
 784年から794年(794ウグイス平安京)までのたった10年間の都だったそうです。
 どちらも桓武天皇の造営によるので、遷都という大事業にもかかわらず「ここはやめて、あっちに移るでおじゃる」とか言われてまた作り直しだなんて、随分お上も横暴だったようです(オレだったら付き合ってらんないなぁー、と思う)。
 それゆえ、仮の都という見方が強かった長岡京のようですが、発掘調査をしてみると本格的な都市の遺構が見つかっているようです。
 調査開始が遅かったのか(宅地化が早かったのか)、周囲はすっかり住宅街になっていますが、再開発を機にあちこちで遺構が保存されているようです。とは言え、周辺を見回しても往時の面影を感じさせてくれるものがないのは、仕方ないところでしょうか。
 これで、「藤原京」「平城京」「長岡京」「平安京(京都)」と、主だった都は回ったと思っていたのですが、ここの案内板には「恭仁京」(くにきょう)「難波京」(なにわきょう)の表示が……
 アレッ? とガッカリさせられましたが、それは勉強不足によるものですから「そこへも行かねば」と気を取り直して……

 何やら門柱の再現物なのか、柱が立っていました。



 長岡天満宮(Map)


 境内前に広がる八条ヶ池は(横長ですが結構広いので)近所の人たちの憩いの場になっています。
 時間的なものもあったのか、どうも犬の散歩が多く「お犬様が通る」(と言うかおばちゃんが通るですね)という雰囲気で、避けようとしない犬(おばちゃん?)が多く、どうも隅の方を歩かされていました。
 境内の入り口の「犬を連れての参拝禁止!」の張り紙に「その通り!」ここの犬たち態度デカイんだもん。金持ちの家が多いのかしら?
 4時半くらいだったかと思いますが、背後に山を背負っている立地なのですでに陽が陰っており、夕日を受けている姿を撮ることもできず、ガッカリ……
 下は八条ヶ池を渡るの参道(ここに植えられたキリシマツツジが見事だそうです、来年に期待。)を挟んだ西側にある錦水亭です。季節的なものなのか人影はありませんでしたが、この座敷から窓の外を眺めたらきっと気分いいのだろうと思います。
 機会があれば、是非昼間から一席もうけてみたいものだと思わせてくれるロケーションです。

 最寄りの長岡天神駅(阪急京都線)の脇にたたずむ尖った屋根の「純喫茶 フルール」というお店が、電車から見ていてずっと気になっていたのですが、今回も残念ながら…… きっと行くからね!

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