2007/09/01

ここかぁ!?──泉涌寺、東福寺、伏見稲荷大社

2007.09.01
【京都府】

 泉涌寺(せんにゅうじ)(Map)


 数日前から猛暑も一段落して普段の生活でもひと息付けたので、週末の京都にもそれを期待して久々に市内を歩きました。午後2時の気温は31度ですが、それでも本当に楽に感じましたわ。
 こちらの夏をバッチリ経験しましたが、東京にいる時は「ただ暑いだけの季節」にしか感じられなかった夏にも「夏なりのうつろいがある」ことを実感出来たのは、ちょっとした驚きでした。
 暑い、暑いと冷房が効いている場所(映画館や水族館等)ばかりを歩き回るような生活ではなく、汗をかくことを受け入れられるようになったこの夏は「汗のかき方の違い」を体で感じられたことが、そう思えた最大の要因だと思います。
 ──この夏一番きつかったのは、姫路城付近を歩いてる時でしょうか。行きも帰りも喫茶店に逃げ込んでいました。
 何か、子どもの頃に帰ったような気分ですが、感性としては当時の方がはるかにピュアだったと思えるので、世界が変わっちゃうとすら感じたであろう「季節の変わり目」を、ガキの頃にはどんなふうに受け止めていたのだろうか?
 でも、大人になってもそんな季節感を体で感じることを経験できて、まだ大丈夫(?)と思えた気がします。

 上の写真のキンキラの飾りを見て、その暑さが一番きつかった家島の漁船の装飾を想起しました。船の無事の祈願なのでしょうが、国家への忠誠心につながっているのかとも感じました。


 何代もの天皇の葬儀が行われ、葬られているそうで「御寺(みてら)」と尊称されているそうです。
 トップの写真は「御座所」という建造物で、明治天皇により建てられたそうです。
 参拝者は多くないのですが、その割には寺側の管理者が多いという印象があります。宮内庁の施設も隣接していることから、結構重要視されているお寺(みてら)のようです。
 空海が籠もったとも伝えられているそうですが、そういうお寺って結構多いんです。


 東福寺(Map)


 臥雲橋(がうんきょう)から眺めた景色を見て「ここかぁ!?」と、ため息をついてしまいました(上下の写真は「通天橋」)。
 メディアで目にしていた、橋のような建物の周囲を彩る紅葉の絶景がこの場所であると知ったと同時に「なるほど、ここの紅葉は凄そうだ!」と納得できました。これは、人の手で作られたものであることも容易に察せられるので、仮に一代でここまでやれたなら「満足じゃ!」と昇天しても未練は残らないないのでは、と思えるような空間になっています(実際にはきっとものすごい時間がかかっていると思われます)。
 ──以前に書いた、京都で学生時代を過ごした知人に聞いた話しは、ここだったと思われます(東福寺を万福寺と聞き間違えていたようです)。


 デッカイ寺です。
 歴史的に、奈良の寺院勢力を封じるために都を移したわけですが、京都に現存する大きな寺はどうしても奈良の東大寺を意識して大伽藍が作られていたように思えます(まあ、いつの時代でも権力者の意志は力を誇示するベクトルになっていきます)。
 それだけ偉大な存在を向こうに回すには、東大寺の教えである「華厳宗」に勝る教えを広めなければならないと、延暦寺を支えた訳ですからホント宗教戦争です。
 海外から日本は無信仰の国と思われているようですが「どんな宗派にも対応できます」という葬儀場が重宝される国でいられることには感謝したいと思いますし、宗派争いを生まない国として存続していって欲しいと思います。
 下は通天橋からの眺めで、真ん中遠方に見えるのが先ほどの臥雲橋で、逆のアングルになります。
 紅葉の時期じゃないので、あまりパッとした絵になってませんがお許しを。


 これも巨大な三門を支える太い柱の根本に一直線に空けられた穴を撮っています。きっと柱を横に渡すための穴だと思われますが、何に使われたのかまでは不明です。
 穴の先の方にピントを合わせようとしているのですが、なかなかうまく撮れません……
 境内が広いから寛容なのか、ルーズなのか分かりませんが境内の中に車を止めても何も気にしないお寺のようで、本堂のすぐ脇でタクシーが客待ちしているのは、観光ずれしているような印象を受けました。
 まあ、そんなことではお寺の存在意義は揺るがない、と言われればその通りかも知れませんが……




 伏見稲荷大社(Map)


 雰囲気はガラッと変わってとても庶民的な雰囲気の伏見稲荷大社です。
 これが千本鳥居で、山の上まで続いているとのことを知りちょっと驚きました(今回は上までは行けませんでしたが)。
 それがきちんと木材で組まれており、それゆえ根本が腐ったりするわけで所々歯抜け状態になっているのですが、この日も新しい鳥居の設営が行われており、その人気の高さをうかがえ知れたような気がしました。


 お稲荷さんですから狐の絵馬(えまではなく、絵狐と言うのか?)で、それも顔の表情が書き込まれているところに、とても身近さを感じさせてくれます。
 庶民の信仰を集めるところは「商売繁盛」ですから、明るさを感じさせる朱や金という色彩が使われるのは当然のことかも知れません。
 境内には「パン、パン!」という柏手の音が景気よく響いています。商売繁盛を祈るのだから、あの柏手を少しでも大きな音で鳴らしたいという気持ちが、切実に伝わってきます……
 参道を歩いていて、東京の帝釈天の参道に雰囲気が似ているような印象を受けました。賑やかで気さくな感じの土産物店が並んでいました。
 ──帝釈天って近ごろでは、寅さん人気が陰りはじめ活気がなくなりつつあること、テレビで見ました。続けていくって大変なことですよね。

 この近所にラグビーで有名な伏見工業高校があるそうです(参考まで)。

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